第一次世界大戦ゲームの第一人者、テッド・レイサー氏の作品はシミュレーション性の高さはもちろん、ゲームとしての競技性の高さでも評価されています。中でも、多くのゲーマーを唸らせたのが『コマンド・マガジン』誌の付録として発表された『1918』と、モメンツ・イン・ヒストリー社から発売された『英国戦車軍団』です。 前者は比較的スタンダードなルールながらドイツ軍最後の大攻勢をダイナミックにゲーム化し、後者は『ストーム・オーバー・アルンヘム（アバロン・ヒル）』などでお馴染みのエリア／マルチ・インパルス・システムを採用。シンプルなルールでありながらカンブレ戦を緻密に再現しています。
■『1918：西部戦線の嵐』 1918年3月に開始されたドイツ軍最後の大攻勢から連合軍の反撃、そして休戦に至るまでを扱った作戦級ゲームです。スタンダードなルール・システムを採用しながらも、突撃兵（ストストルッペン）や戦車による浸透移動がルール化され、第一次大戦末期の戦いを再現しています。途中で攻守の立場が入れ替わるダイナミックな展開に魅了されるユーザーも少なくないでしょう。 架空の状況設定を楽しむバリアント・シナリオ、「プラン1919」のシミュレート、連合軍の反撃だけを扱ったミニ・シナリオなど、盛りだくさんの内容です。
■『英国戦車軍団：カンブレの戦い』 戦史上、初めて大規模な戦車部隊が投入されたカンブレの戦い。大突破はならず、ドイツ軍突撃兵の反撃によって撃退されたイギリス軍の攻勢を、『英国戦車軍団』は再現しています。マップはエリア方式、攻撃に失敗するまで自分のインパルスを続けられるという予測困難で流動的なシステムを採用しています。主導権の推移や部隊運用に頭を使わなけれはなりません。シンプルなルールながら（実質４ページ）、考えさせるゲームに仕上がっています。

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