Windows 98SE と Windows Xp Professional、2つのオペレーティングシステムを切り替えてデュアルブート可能、そのうえ Macintosh と FM タウンズのソフトも動作可能な、90年代から2000年代初期のクラシックなゲームやアプリケーションを、幅広く楽しむことを想定したレトロゲーム向けノートパソコンです。
ベースとなったマシンは、富士通の『 FMV-BIBLO NB70G(FMVNB70G) 』です。「Microsoft Office 2003」インストールモデルです。
高輝度、低反射、広視野角のスーパーファイン DX 液晶搭載機です。同時期のノートパソコンの中では、かなり高画質の液晶で、CRT と比べても遜色のない、なかなかきれいな画面です。
Windows 98 も Xp も快適動作します。
Windows 98SE モードで動作させれば、90年代初期の Windows 3.1 時代のソフトから、Windows 95、Windows 98、Windows Me 世代あたりの、最近のオペレーティングシステムでは動作しない、レトロなゲームの大部分が楽しめます。90年代ごろのクラシックなゲームを楽しむのに最適な OS が、この Windows 98SE です。
あと、富士通つながりで、FMタウンズのエミュレーションソフトも入れてみました。FM TOWNS Ⅱ MX の HDD 340MB モデルと互換性のある設定で動作します。
FM TOWNS Ⅱ MX は 93年発売の白タウンズの最上位モデルで、フルカラーグラフィックと 16ビットサウンドに対応した最初の機種です。
さらに、当時、富士通とマルチメディア分野で提携していて、タウンズと CD-ROM ソフトの共通化を目指していた（結局は Quicktime がタウンズで再生できるようになっただけでしたが）、アップルの Macintosh のエミュレーションソフトも入れました。こちらは、Macintosh Quadra 800 の HDD 1GB モデルの環境を想定しています。
Macintosh Quadra 800 は、お値段 100万円以上もした、68k Mac の高級モデル、Quadra シリーズの 93年版の機種で、前述の TOWNS Ⅱ MX と同時期のマシンです。68K Mac の中では Quadra 840AV に次ぐ高性能機で、先代 Quadra 950 よりだいぶ安くなりましたが、それでも高嶺の花でした。漢字 Talk 7.5.5 で動作するようにしてあります。
スペックは以下の通りです。
機種名：FMV-BIBLO NB70G型番：FMVNB70GCPU：Intel Celeron M / 1.2 GHzメモリ：768 MB / DDR SDRAMチップセット：Intel 852GMグラフィック：Intel 852GM / 1024x768ドット / 1677万色液晶：スーパーファイン DX 液晶 / 15インチ / XGA / FLバックライト付高輝度・低反射・広視野角TFTカラーサウンド：SigmaTel C-Major Audio / AC"97 サウンド機能ハードディスク：日立製 HEJ421080G9AT00 / 80 GBフロッピーディスク：3.5インチ 3モード x1光学ドライブ：TEAC 製 DV-W22E / DVD-R/RW/RAM ドライブPCカードスロット：TYPEI/II×2 / TYPEIII×1 /Card Bus対応メモリーカードスロット：SDカード / メモリースティック（Windows XP 専用）LAN：Realtek RTL8139 / 100BASE-TX/10BASE-Tモデム：Agere System AC"97 Modem / 56kbps / V.92規格準拠 / FAX 14.4kbps端子：USB 2.0 x4 / IEEE1394 / 外部モニター(1600x1200ドット）システム1：Microsoft Windows 98 Second Editionシステム2：Microsoft Windows XP Professional（Service Pack3）システム3：富士通 TOWNS-OS V2.1 L31システム4：Apple 漢字Talk 7.5.5（Mac OS System 7.5.5 日本語版）
ハードディスクのパーティション、ドライブ構成は以下の通りです。
A ドライブ：フロッピーディスクC ドライブ：HDD 30 GB / Windows 98SE システムドライブD ドライブ：HDD 50 GB / Windows XP システムドライブQ ドライブ：CD / DVD ドライブR ドライブ：DAEMON Tools / 仮想 CD / DVD ドライブ

もともと搭載されていた、富士通製 60GB の HDD は故障していたため、日立製の 80GB HDD と交換しました。不良セクタなしで、正常に読み書きできています。
フロッピーディスクドライブは、2HD（1.44 MB） のディスクのフォーマットと、データの書き込みと読み込みができることを確認しました。2DD（720 KB）のディスクは未検証です。
Windows XP では、フロッピーディスクドライブは 3モード対応になります。ただし読み書きのみ対応で、1.2 MB でのフォーマットはできません。PC-9821Ce と FM TOWNS II MX でフォーマットした、2HD（1.2 MB）のディスクの読み書きができました。
CD / DVD ドライブは、読み込みのみ正常に行えることを確認しました。フリーの CD/DVD ライティングソフト「ImgBurn」をいれてありますが、書き込みは未検証です。
フリーの仮想 CD / DVD ドライブソフト「 DAEMON Tools 」もインストールしてありますので、ISO ファイルなどのディスクイメージの読み込みも可能です。
USB 端子に接続した、USB メモリ（32 GB）、USB 外付けハードディスク（500 GB）が、Windows 98 と XP で使用できることを確認しました。Windows 98 側には USB 2.0 ドライバーと USB mass storage ドライバーが入っていますので、Windows Me と同様に各種 USB ストレージが使用でき、USB 2.0 の高速入出力が可能です。ただし、Win98 では FAT32 フォーマットのみ対応で、NTFS フォーマットの USB メモリやハードディスクには未対応です。
バッテリーは、充填率 100％ と表示されるまで充電できましたが、製造から 18年経過し、経年劣化している可能性がありますので、一応、動作未保証とさせてください。
Windows XP の有線 LAN にてインターネットへの接続ができました。ただし、Win98 / XP 用の古い Internet Explorer では、現在の Web サイトの多くは閲覧できなくなっています。D ドライブの BIBLO フォルダに入っている、Win98 / XP 用・各最終版の Firefox や Opera をインストールすれば、多少マシになるかもしれませんが、これら古いシステムでのネット接続は、セキュリティ的に非推奨です。
Windows 98 側には LAN ドライバーを入れておりません。Win9x 系の仕様で、LAN ドライバーをインストールすると、システムの起動が数十秒から 1分近く遅くなる場合があるからです。Win98 用の LAN ドライバーは D ドライブの BIBLO フォルダと、添付のドライバー＆ソフトウェア入り USB メモリに入っていますので、必要でしたらインストールしてください。

近年の Windows では動作しない、以下のゲーム等をインストールして、グラフィックやサウンド、キーボードやマウス操作など、正常動作することを確認しました。DAEMON Tools ＆ ディスクイメージを使用してインストールしてあります。
・『 イース Ⅰ・Ⅱ 完全版 』・『 奇々怪界 』・『 グラディウス デラックスパック 』（グラディウス 1 / Ⅱ GOFERの野望）・『 源平討魔伝 』・『 スーパーリアル麻雀 PⅤ 』・『 スーパーリアル麻雀 PⅥ 』・『 スーパーリアル麻雀 PⅦ 』・『 ソーサリアン オリジナル 』（ドラゴンスレイヤーⅤ ソーサリアン）・『 ダライアス外伝 』・『 ときめきメモリアル ～ forever with you ～ 』・『 バーチャコップ2 』・『 ハイドライド 1・2・3 』
Windows98SEモードにて、上記ソフトの動作を確認。サウンドは、PCM 音源、MIDI 音源、CD-DA 音源、すべて鳴ります。

・『 新・英雄伝説Ⅲ 白き魔女 』・『 英雄伝説Ⅵ 空の軌跡 』・『 逆転裁判 PC 』・『 逆転裁判2 PC 』・『 逆転裁判3 PC 』・『 式神の城 EX 』・『 東方紅魔郷 』・『 東方妖々夢 』・『 東方永夜抄 』・『 不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参! 』・『 夢幻戦士ヴァリス COMPLETE 』（夢幻戦士ヴァリス 1 / 2 / 3 / 4）・『 Microsoft Office 2003 Professional(Service Pack3) 』
こちらは Windows XP にて動作を確認。

Macintosh（68K）モードにて、以下のソフトが動作することを確認しました。漢字 Talk には Quicktime 2.5J とハイパーカード組み込み済みです。
・『 漢字 Talk 7.5.5 』（漢字 Talk 7.5.1 からのバージョンアップ）・『 タイムギャル 』・『 アクアゾーン 』・『 Mac 書道 Pro 』
『タイムギャル』は、80年代のゲームセンターにいくつも登場した、レーザーディスクによるアニメーションゲームの中でも屈指の人気を誇る有名作。パソコンでは SHARP の X1 や 一部の MSX に移植されていましたが、Windows 版は発売されていなかった作品。躍動感のある派手なアニメと元気いっぱいのボイス、コミカルだったり、ちょっとセクシーだったりする多彩でステキな敗北シーンが魅力的です。
『アクアゾーン』はデスクトップ上に熱帯魚の水槽を設置する鑑賞ソフト。ゲームとは言いがたいですが、なんとも Macintosh らしいお洒落さのある定番ソフトです。
『Mac 書道 Pro』は、雑誌『ログイン』の連載漫画『墜落日誌』でも紹介されていた、Mac でお習字するためのグラフィックソフトの 96年版、68K Mac 対応の最終版です。これまた Mac らしい、知的で雅やかで娯楽性もある楽しいソフトです。


FM タウンズモードにて、以下のタウンズ版ソフトが動作することを確認しました。
・『 システムソフトウェア V2.1 L31 』（TOWNS-OS）・『 MS-DOS Ver 3.1 』・『 MS-DOS Ver 6.2 』・『 あすか 120％ エクセレント Burning Fest. 』・『 エメラルドドラゴン 』・『 きゃんきゃんバニーエクストラ 』・『 タイトー チェイス HQ 』・『 第4のユニット ACT.1＆2 LINKAGE 』・『 第4のユニット ACT.3 DUAL TARGETS 』・『 第4のユニット ACT.4 Zero 』・『 第4のユニット ACT.5 D-Again 』・『 第4のユニット ACT.6 MERRYGOROUND 』・『 第4のユニット ACT.7 WYATT 』（シリーズ最終作）・『 魔法大作戦 』・『 ロードス島戦記 灰色の魔女 』
『LINKAGE 第4のユニット』は、1作目と2作目のカップリング移植。タウンズの性能に合わせて、オリジナルの 8ビットパソコン版よりも、グラフィックとサウンドが大幅に強化されています。このシリーズ、キャラデザが毎回ガラリと変更され続けますが、コレに収録の 2作目のブロンウィンが一番かわいかったと思います。
シリーズ 3作目『第4のユニット3 デュアルターゲット』。この作品あたりから、シリーズの作風がシリアス・ハードな雰囲気になっていきます。主人公の偽物との対決や、ハカイダーのようなライバル戦士との死闘など、ヒーローものの定番的な、わりと熱い展開も。
クローンか？ オリジナルか？ブロンウィン出生の秘密に迫るシリーズ第4作、『第4のユニット4 Zero』。前作からのシリアス・ハード路線を引き継いだ、ストーリー製の高い作品です。
京都アニメーションが動画を手がけたことで有名な、シリーズ5作目『第4のユニット5 D-Again』。動画再生エンジン「DAPS」を初搭載し、よく動きます。宿命のライバル・ダルジィと再会し、ふたりを狙う悪の組織 WWWF と、新たに出現した謎の組織に戦いを挑みます。本作にて、シリーズ 1作目から続いた WWWF との戦いに決着が付き、第1部のストーリーが完結します。
続いて第2部として 6作目『MERRYGOROUND』と 7作目『WYATT』が、他機種に移植例のないタウンズのオリジナル作品として発売されましたが、こちらは未完のまま発売元のゲーム事業撤退によりシリーズ打ち切りとなってしまいました。DAPS によるアニメーションは、ちょっとした OVA のようなできばえで、ダルジィとの共闘や、新組織アインハイトと WWWF 残党との三つ巴の戦いなど、なかなか面白そうなシリーズだったのですが。
「ナンシーより緊急連絡！」の名台詞で有名な、タイトーの『チェイス HQ』。レースゲームではなく、犯罪者の乗る車を追跡して、車ごと体当たりしてブチのめして逮捕する爽快なカーアクションゲームです。アーケードゲームの移植は、タウンズのライバルだった X68000 の得意分野でしたが、このゲームは、タウンズ版の方が X68 版よりも圧倒的に出来が良かったです。
『ロードス島戦記』は、雑誌コンプティークの連載記事に始まり、後に小説やアニメにもなって大ヒットしたファンタジー作品のゲーム版。ディスクアクセスが長く、戦闘に手間のかかった PC-9801 版よりも快適です。CD-ROM の大容量を生かして、オープニングデモ等、追加グラフィックも多いです。
『魔法大作戦』は、アーケードから移植の、隠れた名作と言えるシューティング。近年になって PS4 に移植されるまで、タウンズ と X68000 版のみだったレア移植作品。敵は魔導兵器を操るゴブリン軍団、魔力で奴らを迎え撃つ 4人の賞金稼ぎ！ファンタジーだかメカものだかよくワカらんですけど、問答無用で熱いゲームです。面白いです。
『エメドラ』は PC-8801 用の名作として有名ですが、タウンズ版は ボイス入り、CD-DA音源対応、256色グラフィックなど、かなりパワーアップしています。
対戦格闘ゲーム『あすか120％』は、後にプレステなどでシリーズが展開されて有名になりましたが、オリジナルは、このタウンズ版。ボタン 2つだけの比較的シンプルな操作性と、ダイナミックでスピーディーなアクションが面白い、タウンズ後期の傑作です。後期バージョンの『エクセレント』は、アドベンチャー風のストーリーモードが追加されています。
『きゃんバニ』は、音楽が PC-9801 版とはまったく異なっており、どの曲も素晴らしいです。雑誌ログインでもベストサウンド賞をもらっていました。スワティ編のラストには、不覚にもホロリとさせられました。

付属品は以下の通りです。
・ FMV-BIBLO NB70G ノートパソコン本体・ AC アダプター + AC ケーブル（19V / 3.16A） ・ 富士通製 USB マウス・ ドライバー/システム/アップデート他 CD/DVD ディスク（後述）
パソコン本体の他に、再インストールする際に必要なドライバやシステムインストール、現在は配布が停止されている Windows アップデートファイル、旧システム用の Internet Explorer や Direct X 、壁紙など、前述のインストール済みソフトウェア類が入った、CD / DVD-R ディスク（ 32 枚）もお付けいたします。
動作することを確認済みですが、かなり古い品物で、経年相応の傷や汚れなどの使用感がありますので一応、ノークレームの・ジャンク品扱いにてお願いします。