KENWOOD DP-1100SG ￥89,800(1987年発売)

【機器の特徴】
・徹底した防振対策を施した筐体・構造を持ち、先代のＤＰ-１１００Ｄで開発された複数の防振対策の総合体
「マルチ・インシュレーションシステム」をさらに改良した，「ＮＥＷマルチインシュレーションシステム」を採用
・脚部には，「ストラットエアーサスペンション」が搭載されていました。床接地部の特殊弾性ゴムにより振動を吸収し，
さらに次段階のコイルスプリングとエアーダンパーにより直線性を保ちつつ振動を吸収するという構造で，
主要部品を剛性の高いアルミダイカストで構成し，床から伝わってくる振動を可能な限り吸収しようという強力な防振構造となっていました。
・底板には，微妙な振動をさらに減衰するために２mm厚の肉厚鉄板を使用し，高剛性と重量の増加による振動や音圧への対策としていました。
・筐体をなすケースは，１mmの鉄板に０．６mmの鉄板を貼り合わせた防振構造とし，共振点の異なる素材の貼り合わせにより
振動エネルギーを内部損失により熱変換して吸収するような設計になっていました。
・メカニズムを支えるシャーシには，１．２mm厚の鉄板を採用し，さらに要所に大形フレームを配置して機器全体の剛性を高め，
小さな振動を押さえ込むようになっていました。
・ピックアップマウント部には，亜鉛とアルミニウムを主成分とする防振金属を使用し，剛性が高く振動減衰能力の高いこの金属により，
振動の吸収を図っていました。
・Ｄ／Ａコンバーターに振動を伝えないために，アナログ基板全体を新設計のＰＣＢインシュレーターでフローティングし，振動の影響をカットするようになっていました。
・Ｄ/Ａコンバーターは，４倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを組み合わせたＬ・Ｒ独立型のものが搭載されていました。
１６ビットＤ/Ａコンバーターですが，最大のビット（ＭＳＢ）とその半分の大きさにあたるビット（２ＳＢ）の歪み補正を行い直線性を高めた
「リアルステップ・フルビットＤ/Ａコンバーター」が搭載されていました。またこのＤ/Ａコンバーターには，データーを正確に速く検出できる，
当時最高速のゲート・アレイによるオリジナルＩＣとして搭載され，遅延量を全くなくした１チップＩＣ構成で低歪みのＤ/Ａ変換を実現していました。
・デジタル信号とオーディオ信号の橋渡し部にあたる信号処理Ｄ/Ａコンバーター部では，ミュート信号，エンファシス信号にフォトカプラーを使用して，
デジタル部とアナログ部のアースラインを完全に分離していました。しかも，Ｄ/Ａコンバーター部のプリント基板をデジタル部とアナログ部の２枚構成とし，
高周波ノイズをカットする新開発のジャミングフリーエフェクト材を使うことにより，電磁波によるノイズをシャットアウトしていました。
・電源部は，デジタル，サーボ系とオーディオ用にそれぞれ専用のトランスを搭載した２トランス構成で，それぞれ１５．５ＶＡと１２ＶＡのものをケースに封入して
搭載していました。また，他の機器やＡＣ電源自体の汚れ（デジタルノイズ等の高周波）を２次電圧に変換させないようにトランスの巻線に特殊なディバイスを使った
「クリーンサイクロン電源」としていました。この「クリーンサイクロン電源」は，デジタル用電源からフィードバックされるデジタルノイズも鮮やかにカットできるため
アナログ信号用の電源をクリーンに保つ効果もあるというものでした。また，電源コードは極太のものが採用されていました。


KENWOOD DP-1100SG 基本スペック～
周波数特性 4Hz～20kHz
全高調波歪率 0.0025%
ダイナミックレンジ 97dB以上
SN比 108dB以上
チャンネルセパレーション 106dB以上

外形寸法 幅 440mm 高さ 124mm 奥行き 360mm
重量 11.8kg


【機器のメンテンス】
・内外装のクリー二ング、ピックアップレンズのクリーニング、ピックアップレールの注油をしています。
・CD再生、停止、スキップ、早送り・巻き戻し等の動作は正常に機能しており音飛び等もありません。
・トレー開閉ベルトの交換をしています。
・音質上肝となるDA基盤のコンデンサは、オーディオ用最高級品として評価の高いMUSE KZをメインに一部FGに交換しております。
・背面RCA端子を接点ブライトという特殊な溶剤にて酸化膜・硫化膜を取り除いており新品のような輝きと音の鮮度感が復活しています。
・背面RCA端子・同軸デジタル端子の正常出力を確認しており音に歪み等もありません。
・フルテック製ロジウムメッキ仕様のACインレットプラグを背面パネルに加工して取り付けましたので、お好みの良質な電源ケーブルをご使用いただけます。

【音質ついて一言】
・このCDプレーヤーの特徴はなんといってもCD史上過去最強クラスの防振機構(インシュレーター)を備えていることです。
とにかく濁りのないクリアな音質で、長岡鉄男氏の方舟での初代モニターにも採用された銘器なので間違いはありません。
・1987年発売の定価89800円ですが、コストのかかった本体構造とピックアップ、デジタル-アナログ分離型のトランスと2層基盤など、
現代ここまでコストのかかった機種を作るとなると30～40万位はするので、チューニングと相まって超ハイコストパフォーマンスを実現しています。
・MUSE KZのコンデンサ交換とロジウムメッキ仕様ACインレット加工によるチューニングで、現代のハイエンド機にも負けないパフォーマンスを絞り出しました。

【発送等について】
・製造から30年以上経過しており、天板にも一部小キズ等ありますので外観が新品同様のものをお探しの方は入札をご遠慮ください。
・当方にて24時間のエージングをしていますので到着後すぐにお使い頂けます。
・到着時電源が入らない、CD再生ができないなど、致命的な初期不良があった場合は一週間以内であれば返品に応じます。ご連絡ください。
それ以外は返品には応じられませんので予めご了承ください。
・おまけで基本操作可能な社外品のリモコンをお付けすることができます。お申し付け下さい。